税金と制度
基礎解説会社員の副業はどう記録する?売上・経費・領収書の月1回整理術
小さな副業を始めた会社員向けに、表計算で管理する項目、領収書の保存方法、月1回の照合手順を具体的に紹介します。
副業の記録は、確定申告の直前にまとめて作るものではありません。取引から時間がたつほど、「この入金は何の仕事か」「この買い物は私用か副業用か」を思い出せなくなります。
取引がまだ少ない会社員なら、高機能な会計ソフトを急いで契約する前に、表計算1枚、証憑フォルダ1つ、月1回30分から始められます。
最初に作る売上・経費の表
売上と経費を同じ表で管理する場合、最低限次の列を用意します。
| 列 | 記入例 | 目的 |
|---|---|---|
| 取引日 | 2026-08-05 | 仕事・購入が発生した日 |
| 区分 | 売上/経費 | 集計を分ける |
| 取引先 | ○○株式会社 | 相手を特定する |
| 内容 | 記事制作7月分 | 仕事との関係を残す |
| 金額 | 55,000円 | 税込・税抜のルールを統一 |
| 入出金日 | 2026-08-31 | 未入金・未払を確認する |
| 方法 | 銀行振込 | 明細と照合する |
| 証憑 | 2026/08/invoice-001.pdf | ファイルを探せるようにする |
| 按分 | 通信費25% | 私用を分けた根拠につなぐ |
| 源泉徴収 | 5,105円 | 差引入金との差を確認する |
売上は「入金された金額だけ」を書くと、手数料や源泉徴収で請求額と合わなくなることがあります。請求額、差し引かれた金額、実際の入金額が追えるようにします。
証憑フォルダの作り方
年と月でフォルダを分け、ファイル名に日付、支払先、内容を入れます。
副業_証憑/
2026/
08/
2026-08-05_○○社_請求書.pdf
2026-08-08_△△ストア_キーボード.pdf
2026-08-31_銀行_入出金明細.pdf
契約書や年間の支払調書は、月別とは別に 契約、年次 フォルダを作ると探しやすくなります。紙のレシートを撮影した場合も、原本の保存要否や電子取引データの保存ルールを最新の国税庁案内で確認してください。
月1回の30分ルーティン
10分:入出金を拾う
銀行、クレジットカード、決済サービス、プラットフォームの明細を開き、副業に関係する取引を表へ追加します。
10分:証憑と用途を結びつける
請求書、領収書、購入メールを保存し、表の証憑欄にファイル名を書きます。経費は、どの案件に必要だったかを短くメモします。
10分:数字を照合する
請求額と入金額、購入額とカード明細を突き合わせます。未入金、二重計上、手数料、源泉徴収の差を確認します。
毎月同じ日、たとえば給与日の翌日や月末の土曜日に予定を入れると続けやすくなります。
副業用口座とカードは必要?
専用口座やカードを持つと私用との仕分けが減り、確認時間を短くできます。ただし、口座を分けること自体がすべての副業で法律上の必須条件というわけではなく、専用口座の明細だけで帳簿が完成するわけでもありません。
まず既存口座で始める場合でも、副業の入出金を一つの口座・カードへ寄せるだけで管理しやすくなります。口座開設の費用や手間と、取引件数を比べて判断してください。
家事按分は別シートで根拠を残す
家賃、通信費、電気代などは、月ごとの計算額だけでなく、割合の根拠を別シートに残します。
- 全体面積と仕事専用面積
- 仕事と私用の利用時間
- 記録した期間と計算式
- 引っ越しや勤務形態の変更日
詳しい計算例は家賃・通信費の家事按分を参照してください。
会計ソフトを検討するタイミング
次の状態になったら、手入力の時間とミスを減らすため会計ソフトを比較する価値があります。
- 毎月の取引が増え、明細の転記に時間がかかる
- 複数の銀行、カード、決済サービスを使う
- 請求書発行から入金管理まで一元化したい
- 青色申告や複式簿記へ対応したい
- 税理士とデータを共有したい
自動連携でも、私用と副業の判断、家事按分、重複取引の確認は必要です。「自動だから確認不要」にはなりません。
会社員の副業向け会計ソフト3社比較では、freee、マネーフォワード、やよいを、料金だけでなく領収書取込、消費税申告、サポートの違いまで同じ条件で整理しています。広告から申し込む前に比較したい人は、先に確認してください。
freee会計を候補として確認する
freee会計も、副業の取引記録や確定申告に使える会計ソフトの候補の一つです。申し込む前に、現在の料金、対応する申告方法、口座・カード連携、必要なサポートが自分の取引量に合うかを公式ページで確認してください。取引がまだ少ない場合は、先にこのページの表計算で1〜2か月記録し、不便な部分を把握してから比較しても遅くありません。
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マネーフォワードの会計・確定申告サービスも比較候補になります。現在利用している銀行やカードとの連携、入力方法、料金、申告時に必要な機能を公式ページで確認し、freee会計を含むほかの候補と同じ条件で比べてください。ブランド名だけで決めず、自分が毎月行う入力と確認の流れに合うかを見ることが大切です。
やよいの青色申告 オンラインを候補として確認する
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年末の確認項目
- 12か月分の売上と経費が入力されている
- 未入金・未払の取引を確認した
- 源泉徴収票、支払通知、源泉徴収額がそろっている
- 家事按分の割合と根拠が残っている
- 証憑のない支出を確認した
- 所得区分、確定申告、住民税申告を確認した
国税庁は事業を行う人の記帳・帳簿保存を案内しており、雑所得の業務でも前々年の収入金額などによって現金預金取引等関係書類の保存や収支内訳書の添付が必要になる場合があります。自分は小規模だから記録不要と決めつけず、現在の条件を公式案内で確かめましょう。
まだ副業の契約や税務全体を整理していない場合は、会社員が副業を始める前のガイドから順番に確認できます。
事業として始めた業務で、開業届や青色申告承認申請書の期限をまだ確認していない人は、会社員の副業で開業届を出すか判断する手順も確認してください。
参照した公式情報
- 国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について(確認日:2026-08-13)
- 国税庁 雑所得(業務)に関する申告書の書き方(確認日:2026-08-13)