会社員の副業をe-Taxで確定申告するやり方|入力順と送信後の確認

副業の確定申告が必要な会社員向けに、源泉徴収票、売上・経費、源泉徴収税額を準備し、所得区分ごとにe-Taxへ入力して送信・納付を確認する順番を解説します。

副業の確定申告が必要だと分かっても、いきなりe-Taxの画面を開くと「給与と副業のどちらから入力するか」「入金額と売上のどちらを入れるか」で止まりやすくなります。

先に結論を言うと、本業の源泉徴収票と、副業の売上・必要経費・源泉徴収税額を別々に年合計してから、給与、副業、控除の順に入力します。最後は送信結果を確認し、納付額があれば納付手続まで行います。e-Taxで申告書を送信しただけで、納付が自動的に終わるとは限りません。

この記事は、会社員が業務委託の副業を申告する基本順序を扱います。消費税の申告、暗号資産、株式や不動産の譲渡、海外取引、過年度の訂正がある場合は必要な画面や書類が増えるため、個別の国税庁案内を確認してください。

e-Taxを開く前に6つの数字をそろえる

明細を1件ずつ探しながら入力するのではなく、まず次の数字が同じ年分でそろっているか確認します。

確認する数字主な資料入力時の注意
本業の給与収入給与所得の源泉徴収票手取り額ではなく源泉徴収票の記載を使う
本業で源泉徴収された税額給与所得の源泉徴収票副業分と混ぜない
副業の総収入請求書、支払通知、売上一覧振込後の手取りだけで集計しない
副業の必要経費経費一覧、領収書、利用明細私用分や家事按分前の全額を入れない
副業で源泉徴収された税額支払通知、支払調書、自分の記録振込手数料と区別する
所得控除・税額控除控除証明書、寄附金受領証明書など年末調整済みの項目との重複に注意する

たとえば、副業の請求額合計が50万円、必要経費が12万円なら、所得計算の出発点は38万円です。全額が10.21%の源泉徴収対象となる例で、請求額から5万1,050円が源泉徴収され、実入金が44万8,950円でも、売上を44万8,950円にはしません。総収入50万円、必要経費12万円、源泉徴収税額5万1,050円を分けて用意します。実際の対象報酬と計算対象額は契約や請求書で確認してください。

必要経費の範囲に迷う場合は、入力前に副業の必要経費を判断する3つの基準で、仕事との関係と証拠を確認してください。

先に「雑所得」か「事業所得」かを決める

e-Taxの操作中に都合のよい所得区分を選ぶのではなく、契約、活動実態、帳簿などから先に区分を整理します。雑所得と事業所得を分ける判断手順に沿っても判断できない場合は、入力を進める前に税務署または税理士へ相談します。

副業の区分作成するもの副業収入の主な入力先
業務に係る雑所得所得税の確定申告書「雑所得(業務・その他)」
事業所得・白色申告収支内訳書、所得税の確定申告書収支内訳書を作成後、事業所得へ反映
事業所得・青色申告青色申告決算書、所得税の確定申告書青色申告決算書を作成後、事業所得へ反映

国税庁の令和7年分作成コーナーでは、原稿料などが事業所得に当たらない場合、「雑(業務・その他)」を選び、「雑所得(業務)・雑所得(その他)」から入力するよう案内しています。画面名は年分により変わる可能性があるため、実際に申告する年分の表示を優先してください。

会社員がe-Taxへ入力する順番

1. 申告する年分と提出方法を選ぶ

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から、申告する年分の所得税を選びます。前年分と過去年分を取り違えないよう、手元の源泉徴収票、売上一覧、控除証明書の年をそろえてから始めます。

マイナンバーカード方式では、マイナンバーカード、読取対応スマートフォンなどの端末、推奨環境、インターネット接続が必要です。スマートフォンのマイナンバーカードを設定済みの場合は、カード本体の読取りを省ける場合があります。既存のID・パスワード方式には経過措置がありますが、国税庁は2025年10月1日から新規発行を停止しています。

2. 本人情報と本業の給与を入力する

本業の給与は、会社から交付された給与所得の源泉徴収票を見て入力します。マイナポータル連携では給与所得の源泉徴収票などを自動入力できる場合がありますが、勤務先が必要な方法で税務署へ提出した後に取得可能となります。

連携データがないから給与を省略してよいわけではありません。紙やPDFの源泉徴収票と、画面へ反映された支払金額、源泉徴収税額、社会保険料などを照合します。

3. 副業の収入・必要経費・源泉徴収税額を入力する

雑所得(業務)の場合は、支払者、収入金額、必要経費、源泉徴収税額など、画面で求められる項目を自分の年合計から入力します。取引先が複数ある場合は、支払者別に集計した表を用意すると、源泉徴収税額との対応を確認しやすくなります。

事業所得の場合は、先に収支内訳書または青色申告決算書を作成し、その結果を所得税の申告へ反映します。源泉徴収された事業収入があるときは、国税庁の作成コーナー案内に従い、源泉徴収された収入があることを選択して内訳を入力します。

副業の入金差額が源泉徴収か分からない場合は、請求額・源泉徴収税額・入金額を分ける方法で支払通知との照合を先に終えてください。

4. 所得控除と税額控除を確認する

医療費控除や寄附金控除などを追加する場合は、証明書や明細から入力します。マイナポータル連携で自動入力された項目も、対象年、金額、名義を原資料と照合します。

年末調整済みの情報と追加分を二重に入れたり、確定申告をするのに20万円以下の副業所得を除外したりしないよう注意してください。副業所得20万円以下の判断手順では、別の理由で確定申告する場合の扱いも整理しています。

5. 計算結果と住民税に関する項目を見直す

送信前に、少なくとも次を見直します。

  • 給与所得の源泉徴収票がすべて入っているか
  • 副業の売上を手取り額で入力していないか
  • 必要経費と家事按分の根拠が年合計と一致するか
  • 副業で源泉徴収された税額を漏らしていないか
  • 所得区分と、収支内訳書・青色申告決算書の有無が一致するか
  • 住民税に関する入力内容が自分の副業形態と合っているか

給与の副業と給与以外の副業では、住民税の徴収方法の扱いが異なります。「自分で納付」を選べば必ず勤務先に伝わらない、とは限りません。副業の住民税で普通徴収にできる範囲と居住自治体の最新案内を確認してください。

6. 電子署名して送信し、受信結果を保存する

画面の案内に従って電子署名を付け、申告データを送信します。送信ボタンを押したことだけで完了とせず、正常に受け付けられたかを受信通知で確認し、申告書の控え、送信データ、受信通知を同じ年分のフォルダへ保存します。

給与所得の源泉徴収票など、e-Taxでは提出を省略できる第三者作成書類があります。ただし、提出不要と保存不要は同じ意味ではありません。画面の案内と保存義務を確認し、入力に使った原資料は捨てないでください。

7. 納付または還付の状況を確認する

計算結果が納付なら、選択した方法で期限内に納付します。e-Tax送信と納付は別の確認事項です。ダイレクト納付、振替納税、インターネットバンキング、クレジットカード、スマホアプリ納付などは、利用条件、事前手続、手数料、利用上限が異なります。

たとえばクレジットカード納付には納付税額に応じた決済手数料がかかり、領収証書は発行されません。申告する年分の国税庁「納税に関する総合案内」で比較し、申告期限と納付期限をそれぞれ確認します。還付となる場合も、申告書の受信結果と還付先口座の入力を見直します。

取引が少なく、年合計を自分で整理できる人は、国税庁の作成コーナーへ直接入力する方法で十分です。一方、取引先や明細が増え、売上・経費の年合計や収支内訳書、青色申告決算書の作成に時間がかかる場合は、会計ソフトを使う方法もあります。会社員の副業向け会計ソフト3社比較で、表計算を続ける場合も含めて選択肢を比べてください。

マネーフォワードの会計・確定申告サービスも候補の一つです。申し込む前に、現在の料金、対応する申告方法、自分に必要な機能を公式ページで確認してください。会計ソフトが所得区分や経費の可否を自動的に判断したり、申告内容の正しさを保証したりするわけではありません。

どの方法を選んでも、e-Taxの受信通知を保存し、納付が必要なら申告とは別に完了を確認します。次のチェックリストで、入力前と送信後の作業を最後までつなげてください。

入力前・送信後チェックリスト

入力前

  • 申告する年分の給与所得の源泉徴収票を用意した
  • 副業の総収入、必要経費、源泉徴収税額を別々に集計した
  • 雑所得か事業所得かを活動実態から整理した
  • 控除に使う証明書をそろえた
  • マイナンバーカード、電子証明書、暗証番号、対応端末を確認した

送信後

  • 受信通知で正常に受け付けられたことを確認した
  • 申告書控え、送信データ、受信通知を保存した
  • 納付額があれば納付方法と期限を確認した
  • 還付なら口座情報を確認した
  • 売上一覧、経費一覧、請求書、領収書などを年分ごとに保存した

今日行うことは、e-Taxへ試しに数字を入れることではありません。本業の源泉徴収票と副業の年合計を並べ、総収入・必要経費・源泉徴収税額の3つが説明できる状態にすることです。そこまで終われば、画面が更新されても入力すべき事実は変わりにくくなります。

参照した公式情報